中国・アジアの工場進出情報

2011.12.15 Vol.23 No.22
産業アナライズ<自動車>
自動車産業界M&Aとアジア/その2
ボルボを買収した吉利汽車の、これから

 ABボルボの乗用車部門だったボルボ・カーズを米・フォードが買収したのは1999年だった。フォードは英国の高級スポーツカーメーカーであるアストンマーティンを87年に買収して以降、89年には同じく英国のジャガー・カーズ、99年にはスウェーデンのボルボ・カーズと、「安物」を扱っていない自動車メーカーを傘下に収めた。99年のボルボ買収を機にPAG(プレミアム・オートモーティブ・グループ)を組織、米・フォードの一部門だったリンカーンを加え、利益率の高い商品だけを揃えるブランド・ショップを持つに至った。翌00年にはBMWからランドローバー部門を買収し、PAGは完成した。しかし、フォード本体の経営がうまく行かず、07年以降は買い集めたブランドの切り売りを始めた。そして、ボルボ・カーズは10年3月、中国の非国営自動車メーカーである吉利汽車を運営する浙江吉利控股集団に売却された。リーマンショックが引き金となり、「100年に一度」と言われた不況が世界を襲ったとき、ボルボを買収できる企業は中国にしか存在しなかったことになるが、その買収金額は約20億ドルと格安だった。
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