中国・アジアの工場進出情報
2011.9.15 Vol.23 No.16
産業アナライズ<自動車>
DCT採用を決めた第一汽車
欧州サプライヤーと中国の密接な関係
中国国営の老舗・第一汽車は自社ブランド乗用車の変速機としてDCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)を採用する方針を固めた。DCTはドイツで考案された方式であり、通常の手動変速機(MT=マニュアル・トランスミッション)の機構をほぼそのまま利用しながら自動変速を行える点が特徴だ。1/3/5/7速(場合によっては7速がない)と2/4/6速という2つのギヤ列にそれぞれクラッチを持ち、これを交互に切り替えて変速を行うことからデュアル・クラッチ(あるいはツインクラッチ)と呼ばれる。MTではギヤの選択と切り替えを運転者が行うが、DCTでは油圧をつかって自動変速する。もちろん手動変速も可能だが、クラッチペダルはない。日本でもDCTはオートマチック限定免許で乗ることができる。欧州で流行しているDCTを中国が採用する理由を探ると、将来の自動車輸出国をねらう中国の姿が見えてくる。
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