中国・アジアの工場進出情報
2010.12.15 Vol.22 No.22
産業アナライズ<自動車>
背伸びするのはまだ早い
中国ブランド「高級車」の実力
09年のオート上海(上海モーターショー)でマルチブランド化を打ち出した奇瑞汽車と吉利汽車。複数のブランドを持ち、それぞれにターゲットユーザーを設定して販売台数を増やすという方法である。かつて日本の自動車メーカーは、国内販売拡大をねらって販売チャンネルを増やし「姿は変われど中身はどれも同じ」という兄弟車を廉価車から高額車にまで展開した。自動車需要がおう盛だったため、この展開は一応の成功を見た。奇瑞と吉利が打ち出した方は、かつての日本のマルチチャンネル販売に似ている。ただし、日本のように目先を変えただけの商売ではないと言う。「兄弟車とは言っても、商品のデザインや機能に特徴を持たせる」「外観が違うだけの双子兄弟ではない」と、両社の販売担当役員は語る。そこまでできれば大したものだが、実際に試乗投入されたマルチブランド商品は、どうも価格だけ「上級意向」したという印象だ。独立系が量産する安価な商品には「この値段ならこの性能・機能でも仕方ない」と思わせるだけの説得力があったが、彼らの上級車は「背伸び」し過ぎの印象だった。
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