中国・アジアの工場進出情報
2010.11.1 Vol.22 No.19
産業アナライズ<自動車>
新興国ボリュームゾーンをねらう日本車
ポイントは現地生産専用設計
日本の自動車メーカーが中国やインドなど新興国で生産する低コストな乗用車が欧州メーカーから注目されている。安価に作ろうとしても自動車についての「お約束事」を満たすことにコストを割いてしまう欧州勢、とくにドイツ勢にとっては、日本車の「安さ」は驚異的に映るようだ。これから本番を迎える新興国での小型車需要は、少なくとも年間500万台以上になるだろう。この市場に対し日本の自動車メーカーは、さらに設計改良した「安価な商品」を投入する姿勢である。日産は新型「マーチ」で初めて新興国基準の設計を行った。トヨタも年内にインドで新興国向け専用設計モデル「エティオス」を投入する予定だ。一方欧州勢は、たとえばルノーは子会社のダチアおよび盟友である日産と設計を分担した商品投入を行う計画であり、VW(フォルクスワーゲン)は資本提携したばかりのスズキとの共同開発を模索している。高級車メーカーおよびスポーツカー専業メーカーを除いては、何らかの形で新興国市場に絡んで来ると思われる。日本勢は、新興国ブランドの廉価車がいるボリュームゾーンで一定のシェアを確保することをねらっている。
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