中国・アジアの工場進出情報
2010.9.15 Vol.22 No.16
産業アナライズ<自動車>
新興国向けエンジンビジネス激化
「出遅れ日本」が抱える問題点
世界中の自動車メーカーがいま、小排気量次世代エンジンの開発を進めている。なかでも欧州勢は2気筒、3気筒というシリンダー数の少ないエンジンの開発にかつてないほどの投資を行っている。常用速度域での燃費性能に優れ、同時に欧州で求められるレスポンス(燃焼反応)の良さや高速領域での燃焼効率を追究したエンジンである。米国勢も4気筒2400cc、6気筒3000ccといった売れ筋エンジンだけでなく2000cc以下のエンジンに力を入れるようになった。その理由は、中国、インド、ロシアなど新興国市場で生産するモデルに「燃費の良い小排気量エンジンを積むため」だ。もともと日本勢と欧州勢は2000cc以下の排気量帯に多くのエンジンを持っているが、米国勢もここに割って入ろうとしている。日本の自動車メーカーはエンジンだけの「外販」には消極的であり、中国の自動車メーカーへの売り込みに成功したのは三菱自動車だけだ。新興国向けのエンジンビジネスは、ますます競争が激しくなってきた。
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