中国・アジアの工場進出情報

2010.4.1 Vol.22 No.6
バンコクレポート
タイで金融市場の自由化が本格スタート
銀行再編が保険と証券の合従連衡を誘発

 タイの金融界で、銀行を中心にした業界再編の機運が盛り上がっている。中国工商銀行(ICBC)は、タイ商銀ACL銀行を買収するため、3月9日から4月16日まで公開買い付け(TOB)を行うと発表。さらにサイアム・シティー銀は3月11日、カナダ・ノバスコシア銀グループが買収することで基本合意した。タイ国内の保険業界は、銀行窓口を通じた販売が主流になりつつあり、銀行再編が保険業界の合従連衡を誘発している。また株式売買手数料の段階的な自由化が始まった証券業界では、再編が必至の状況だ。一連の動きは1997年のバーツ危機で痛手を受けた金融再編の総仕上げになる。金融市場の自由化が、事実上、今年からスタートしたとも言える。
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