中国・アジアの工場進出情報

2010.4.1 Vol.22 No.6
産業アナライズ<化学>
環境問題に揺れるタイ石化産業
マプタプットで大型事業差し止め/南部新拠点構想も

 タイの石油化学産業が環境問題に揺れている。同国中央行政裁判所は2009年9月、地元住民やNGOによる健康・環境被害の訴えを認め、東部マプタプット工業団地(MIE)およびその近郊で進行中の76プロジェクトに一時差し止めを命令。石化関連では、サイアム・セメントのエチレン設備建設、PTTグループによるガス分離装置建設のほか、旭化成ケミカルズや宇部興産など日系企業による大型プロジェクトが一斉にストップする事態となった。差し止め対象となった事業の総投資額は4,000億バーツ(約1兆1,000億円)に上る。2010年3月には対象が50件弱に絞られたものの、問題の全面解決は早くても同年末頃になるとみられ、2011年頃にかけて完成を予定していた石化プラントの稼働は約1年遅れる見通しだ。今後MIEでの石化産業拡大は困難との見方が強まるなか、タイ政府は南部に新たな石化拠点を建設することも検討している模様だ。
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