中国・アジアの工場進出情報
2010.1.1・15 Vol.22 No.1
中国ビジネス講座
シリーズ 変化を見せる中国の労働政策と雇用環境
第9部 「教育立国」の理念を実施に移す「211工程」と「985工程」
1.「教育立国」の理念と大学建設
「教育救国」は教育の発展によって国を救うという意味であるが、現在の言葉で言えば、「教育立国」になる。この理念は、世界一流の大学をつくる目標の芽生えであったといえるだろう。その歴史は清末の洋務派が設立した北洋学堂といった洋学堂や、民国時期の北平大学まで遡ることができる。こうした歴史をもつ中国の大学は、生まれたその時から、「教育救国」を自分の使命としたといわれている。しかし、長い間、戦争状態におかれていた中国は、この使命(理念)を実現することができなかった。1949年10月1日、中華人民共和国が誕生した。1949年から「文化大革命」直前の1963年まで、中国政府はこの理念を実施に移すため、大学教育に力を入れ、世界一流の大学を目指す国家重点大学を指定し建設してきた。しかし、1967年から1977年に及ぶ10年間の「文化大革命」により、大学の入試が中断し、日本を始めとする先進工業国と比較して、その格差が逆に拡大してきた。
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