中国・アジアの工場進出情報
2009.11.15 Vol.21 No.20
産業アナライズ<化学>
アジアのポリエステル原料需給動向
供給過剰感増大〜来年以降バランス失調へ
ポリエステルの原料であるPX(パラキシレン)〜PTA(高純度テレフタル酸)およびEG(エチレングリコール)の需要は、他の石油化学製品より比較的早い段階で回復に転じた。繊維やボトルなどのポリエステル製品は生活の必需品であり、かつ安価であるため、景気減速の影響が軽微だったためだ。また石油製品需要の低迷によって粗原料であるキシレンの生産量が減少したことでPXおよびPTAの生産が抑制され、チェーン全体の需給が引き締まり、市況も原油価格と連動しながら右肩上がりで推移した。しかし、足元では新規生産設備の相次ぐ稼働によって供給過剰感が漂い始めており、高稼働が続いたポリエステル製品の在庫も積み上がっている。新設備の稼働状況や中国の金融政策など不確定要素も多いが、2010年以降、需給バランスが緩和に向かうことは必至だ。
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