中国・アジアの工場進出情報

2009.5.15 Vol.21 No.9
華人企業家の夢と野望
制度疲労を起こした「タイの民主主義」(中)
――タクシンによる"失地回復運動"の裏側に潜む危機

 敢えて誤解を恐れずに日本を例に現在のタイを考えるなら、タイはいま自らの力で戦前型日本を脱し戦後型日本に変化しようとしている過渡期だ。たとえば統帥権を押し立て政治的影響力を行使することを当然視する旧軍が復活したとして、現在の日本の国家運営ができようはずもないだろう。その当否は一先ず措くが、日本の場合、戦前型から戦後型に切り替えることが可能だった最大のカギは、やはりマッカーサー=GHQという"超国家的外圧"の存在だろう。だが幸か不幸か、現在のタイに敗戦時の日本におけるマッカーサー=GHQのような超弩級の外圧はない。いや、ひょっとして「百年に一度の世界不況」が外圧となり得るかもしれない。
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