(1)農民工の起業を促進する対策
2008年10月30日に中国人的資源・社会保障部を含む10の省庁は、再就職支援など農民工対策を強化する方針を打ち出し、『起業による就業促進の推進に関する指導的意見』を策定し、発表した。その内容は農民工の新規起業者に対する参入規制の緩和や行政の審査許可に係る手続きの簡略化、出稼ぎ労働者らが起業する際の金融サービスの整備などを柱とし、故郷に帰る農民工などに起業による就業を促進することで、関連雇用を生み出す効果を目指している。前述のように、「農民工」は現在、約1億3,000万人に達する。農民工の多くは沿海部の輸出関連企業で働いているが、世界経済の急減速で職を失い、故郷に戻る出稼ぎ労働者も目立ち始めている。政府はこうした農民工の雇用問題に強い危機感を募らせており、その雇用を促進している。他方、09年2月5日に中国人的資源・社会保障部は、仕事を探している農民工を援助するための「春風行動」を企画している。「春風行動」は以下の五項目から構成される。 |