製紙各社の中国・東南アジア地域を中心とした海外展開が活発だ。経済成長の指標であるGDP(国内総生産)の伸び率は、世界の中でもアジア地域が突出している。2007年でみると、日本のGDP成長率が2%だったのに対して、アジアでは4〜9%の範囲で成長している国が多くあり、中国に至っては12.3%という高い数値で増加した。2008年は世界同時不況の影響もあり、経済成長率はこれらを下回るとみられるが、アジア各国のマーケットにはまだまだ成長の余地があり、経済回復後は再び活発な投資・経済活動がみられるだろう。紙・板紙需要において、日本の市場は成熟段階にある。元来国内完結型であった製紙業界は、すでに転換期を迎えたといえる。国内における売上高上位を誇る日本製紙や王子製紙を筆頭に、各社は海外市場に活路を求め、積極展開に乗り出している。日本の製紙・板紙メーカーのアジアなどを中心とした海外での事業展開を紹介する。 |