中国・アジアの工場進出情報

2009.3.1 Vol.21 No.4
産業アナライズ<自動車>
自社ブランド充実に乗り出す台湾の裕隆
台湾自動車産業は中国本土を目指す

 台湾の裕隆(ユールン)集団が自社開発モデルの投入を発表した。直列4気筒2200ccエンジンからボディ、内外装デザインまでを自社開発したミニバン「ラクスジェン」を6月までに台湾で発売するという。台湾の自動車メーカーとしては初の自主開発乗用車である。裕隆筋によると「開発期間は約3年間」と言うから、エンジン、駆動系、ボディ設計などには「参考」があったと見ていいだろう。裕隆集団傘下の中華汽車では、三菱からの技術供与を得て商用バンを開発した実績があるが、裕隆汽車は過去に、日産車をほぼそのままライセンス生産した自社ブランド車しか経験がない。もっとも、台湾にはデザインを請け負うカロッツェリアや自動車設計を行うエンジニアリング会社が数社あり、すでに大陸中国との間でビジネスが活発化している。裕隆汽車の狙いも、自社開発モデルによる中国市場開拓にあるようだ。
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