中国・アジアの工場進出情報

2024.5.1 Vol.36 No.8
FOCUS
【化学】
産業の転換目指す動き、日本企業も取り組みを加速

 インドネシアの化学産業は転換期に入ろうとしている。同国では国内で産する様々な化石燃料を原料とする化学産業が発展してきたが、外国企業とくに欧米企業による投資が停滞し始めたからだ。代表的な例として米国のエアプロダクツ&ケミカルズが石炭のメタノール転換プロジェクトから撤退したことが挙げられる。同プロジェクトは政府の強力な後押しを受けて始まった事業で、インドネシア産の石炭をジメチルエーテルに転換するというもの。総投資額40億ドルを計画し、一部プラントは2022年に着工していたがこのほど撤退を決めた。背景には、石炭を供給するプルタミナやブキアサムとの価格交渉が難航したことに加え、石炭に代表される化石燃料が絡む事業に投資が集まらなくなったことがある。
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