中国・アジアの工場進出情報

2023.10.1 Vol.35 No.17
産業アナライズ<自動車>
包囲網の中の中国製BEV・前編
電池の脱「中国」で韓国浮上か

 最近の国内報道では中国製BEV(バッテリー電気自動車)が礼賛されている。「日欧米が中国から技術をもらう側になった」「日本の牙城アセアンを席巻」など、ほとんど褒めちぎりである。たしかにLIB(リチウムイオン2次電池)に代表される車載用「動力電池」では中国が圧倒的なシェアを持つ。過剰生産気味のLIBを安価に調達できるため車両製造コストも安い。いっぽう欧米では「中国締め出し」のムードが強くなった。アメリカはIRA(インフレ抑制法)であからさまに中国排除を狙い、EUは中国製BEVへの反補助金調査を開始した。中国経済の先行きが不透明な中、中国政府は「電池の次はBEV完成車輸出」と、海外展開を支援し始めた。果たして中国製BEVは、この包囲網を突破することはできるか。このテーマで3回、最新事情をレポートする。1回目は車載用動力電池を取り上げる。
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