中国・アジアの工場進出情報

2022.6.15 Vol.34 No.11
産業アナライズ<化学>
回復したアジアのAN需要
今年以降も新増設多数/需要面は黄信号

 アクリル原料のアクリロニトリル(AN)需要は、予想通り2021年に回復した。2020年はコロナ禍を主要因としてマイナス成長となったが、2021年は主力のABS樹脂向けを始めとして需要回復が鮮明だった。2022年は年初時点で10%程度の高成長が続くと見込まれていたが、ウクライナ情勢や中国・上海のロックダウン等で世界経済の下押し圧力が強まり、一転して需要成長に黄信号が灯った。一方、供給面では2021年第4四半期から中国で新増設プラントの立ち上げが相次いでおり、2022年以降も多数の新増設が計画されている。このため需要成長が鈍化すれば供給の増加を吸収しきれず、需給バランスが崩れるとの観測も広がっている。
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