中国・アジアの工場進出情報

2021.11.15 Vol.33 No.20
産業アナライズ<化学>
PX需要が7%増で5,000万t突破
2021年は在庫調整でゼロ成長も需給は改善

 ポリエステル製品の主原料であるPTA(高純度テレフタル酸)の原料PX(パラキシレン)の世界需要が前年比で7%増加し、5,000万トンの大台を突破した。世界最大の需要地である中国が早期に経済活動を再開させたほか、2020年はPTAメーカーが在庫の積み増しという方向に動いたことでPXの先食い需要が発生、新型コロナウイルスの影響下でも巡航速度(年率4〜5%増)を上回る需要増加となった。2021年は在庫調整に費やされ、世界需要は前年並みに留まる見通しだが、特に上期はPXの供給トラブルもあって市況は改善傾向となった。2022年以降はコロナの収束に伴って需要は安定的な成長軌道に回帰するだろう。PXの需給バランスは当面供給超過が続く見通しだが、需要増加によって余剰能力は徐々に吸収され、適正化へ向かうと見られる。
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