中国・アジアの工場進出情報

2019.11.1 Vol.31 No.19
産業アナライズ<化学>
値下がり続くアジアのMMA市況
AN副生青酸と中国需給がカギ

 いわゆるアクリル樹脂などの主原料として用いられるMMA(メタクリルモノマー)の市況が1年余り下落を続けている。需要は比較的堅調だが、供給増要因があるため市況回復は当面見通せない。特にアジアでは荷動きが鈍くなっており、米中貿易摩擦の影響が表面化している。ただ、旧来製法である青酸利用のACH(アセトンシアンヒドリン)法プラントが青酸の副生源であるAN(アクリロニトリル)プラントの稼働状況に大きく影響される需給構造となっているため、生産が外部要因に左右されやすい。中国での新増設計画がどうなるかによって今後の需給バランスが決まっていくが、複雑に絡むMMA需給と原料事情を追ってみた。
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