中国・アジアの工場進出情報

2019.10.15 Vol.31 No.18
ビジネスレポート
中国がタイ東部開発「EEC」で優等生ぶり

 タイ政府は国を挙げて「EEC」(東部経済回廊)開発と呼ぶ経済特区開発に取り組んでおり、そこに世界のハイテク産業を誘致することに余念がないが、これまでタイ政府の期待に大きく応えているのが中国。「EEC」開発が始まった当初のタイ政府は、タイ投資委員会(BOI)への累積投資額で断然トップである日本に最大限の期待をしていていたはずだが、ここに来て、「EEC」での中国の存在がひときわ目立つ。中国からの大型投資が現在のタイ政府が最も喜ぶ「EEC」地域に増えている。日本政府やJETROも日本企業の「EEC」投資をさかんにプロモートしているが、日系大手の製造業の大型投資がない。バンコクと「EEC」を結ぶ最大のインフラ案件としてタイ初の高速鉄道建設の当初には日本の大手商社などの参加に期待されていたが、この鉄道は採算性が悪いと結論付けた日本勢はいち早く入札から撤退、タイの華人系財閥として知られるCP(チャルーン・ポーカパン)グループを中心とした中国グループが受注、高速鉄道付近の不動産開発を睨みながら建設を開始した。
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