中国・アジアの工場進出情報

2019.6.1 Vol.31 No.10
産業アナライズ<自動車>
中国の自動車開発体制・その3
アナログ否定、デジタル肯定

 中国の新卒理系学生は年間約90万人と言われる。人気の就職先にはIT(情報通信)系とともに自動車産業が入っている。筆者が訪問したいくつかの大学の研究施設は驚くばかりであり、自動車の生産ラインや実車の入る風洞、CFRP(炭素繊維強化樹脂、いわゆるカーボン素材)の成型窯、レーザー溶接機など最新設備を持っていた。学びの環境としては日本の大学よりはるかに恵まれている。しかし、中国での自動車「自主開発」が活発になった2004年ごろから15年を経過した現在でも、中国は自動車技術の多くを海外に頼っている。05年の新卒技術者はすでに中堅だが、考え方は「デジタル一本槍」という印象を受ける。商品企画部門は海外勢の二番煎じが目立つ。なかなか地に足の着いた開発体制にはならない。
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