中国・アジアの工場進出情報

2019.2.15 Vol.31 No.3
産業アナライズ<自動車>
電動車開発「VW対トヨタ」
優勢なのはどちらか?

 ドイツのVW(フォルクスワーゲン)グループは、総じて「親中派」と言われるドイツ企業の中にあってもとりわけ中国との繋がりが深い。中国政府がNEV(新エネルギー車)にかぎって「3社目の合弁」を認めると発表したとき、VWはこれに真っ先に反応し、それまで関係のなかった江淮汽車とのNEV合弁設立を発表した。一方、トヨタは中国政府の信頼がもっとも厚い日本企業のひとつだが、NEV規制に対しては当面、合弁相手である広州汽車から商品の提供を受ける。こうした状況から、日本では「トヨタはBEV(バッテリー充電式電気自動車)で出遅れた」とメディアが報じた。しかし、独自開発のBEV投入は両社ともほぼ同じタイミングであり、2020年になる見通しだ。中国のNEV規制が政府の思惑どおりに進むかどうかがまずは疑問だが、世界の大手自動車グループも、少なくとも現時点では世界的なBEV普及に方向転換したとは言えない。その内情を追った。
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