中国・アジアの工場進出情報

2018.12.1 Vol.30 No.21
産業アナライズ<自動車>
自立か、ASEANの一部か――
ベトナム自動車産業のいま・後編

 ベトナムに昨年誕生した新しい民族資本の自動車メーカー、ビンファストの工場がついに完成した。まず電動バイクの生産を始め、来年夏には4ドア・セダンとSUVの生産・販売を開始する予定だ。ビン・グループはベトナムの投資グループであり不動産業の大手でもある。ビンファスト最初の乗用車は独・BMWから旧世代のプラットフォーム(車両の基本骨格)を購入して仕立てた。リーマンショック直後の2009年から13年までの5年間、ベトナムの自動車市場は伸び悩んだが、これから先の見通しは概ね明るい。しかも日欧米の既存メーカーが市場拡大に期待するなかでベトナム資本の独立系自動車メーカーが生まれ、それも過去にはなかった資本形態での実現である。いきなりドイツ製高級車の設計を譲り受けて勝負に出る。今後、ベトナム資本が既存の自動車メーカーへの資本参加あるいは買収へと動いてもまったく不思議ではなくなった。
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