中国・アジアの工場進出情報

2018.8.1・15 Vol.30 No.14
産業アナライズ<自動車>
車載電池の値崩れは始まるか
電動車用2次電池の現在・前編

 中国政府が進めるNEV(ニュー・エナジー・ビークル=新エネルギー車)普及政策は、来年から罰則を伴うクレジット規制が導入される。各社にどれくらいのクレジットが課せられるかは「双積分政策」で決定されるが、中国の自動車メーカーに甘く外資系に厳しいという印象は否めない。しかも、中国政府が各社に与えるマイナスクレジットをBEV(バッテリー電気自動車)とPHEV(プラグイン・ハイブリッド車=外部充電できるエンジン/電動モーターの混合動力車)の生産で消化しクレジット・ゼロにするには、中国政府が指定した2次電池(バッテリー)製造企業から2次電池を購入しなければならない。日欧米に勝てない内燃機関ではなく次世代の主力と目される電動車を中国国内で大量生産することが「自動車強国」への道であると確信している中国政府は、2次電池の覇権も握ろうとしている。価格の優位性に加えて性能面でも世界のトップクラスになることをねらっている。同時にNEV関連産業の海外展開もねらう。日本はこの中国NEV規制の枠組みのなかに入らなければならない。
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