中国・アジアの工場進出情報

2018.7.1 Vol.30 No.12
ビジネスレポート
「中国1」のハイテク金型の製造を目指す
上海佳谷模具有限公司の呉雪琴さん

 中国ローカルの金型(かながた)メーカーである上海佳谷模具有限公司(上海市松江区)の創業者で董事長兼総経理の呉雪琴(ウー・シュエチン)さんは年300基ほどの金型(かながた)を生産する工場を率いているが、精度が高く難しい金型生産に特化している。製造した金型の85%は中国で操業している日系大手の工場に納入し、社内のプラスチック製品製造の内製用向け金型が10%ほど、他にドイツ、、米国などにも輸出、タイでも新規顧客を開拓中。筆者は長年に渡り、日本やアジア各国の金型工場も取材してきたが、女性が金型工場を起業して育てたところは同社の他に聞いたことがない。昨年11月にバンコクで開催されたMETALEX展で呉さんと知り合って是非とも工場見学させてもらいたいと願ってきたが今回ようやく実現できた。世界最大、数万の金型業界を抱える中国の金型業界でも同社は稀有な存在だろう。呉さんは中学を卒業して以来、今日、日本人を含む従業員百数十名の金型工場を育てるまで金型一筋でやってきたが「いつか金型製造の特定の分野で中国を代表する企業として認められる強い企業になりたい。その目標に向けてチャレンジを続けます」「負けたくない」「勝ちたい」と呉さんは日々奮闘中。現在は社長としての仕事が多いために金型の見積までする時間がないが、「時間さえあれば金型の見積は私ひとりでこなせます」と、呉さんは金型製造のプロだ。社名を「佳谷」(JIAGU)と名付けたのは、「佳」は良いを意味し、中国語の「谷」には良いおコメという意味があり「品質が良い役立つ金型を作りたい」という思いを社名に込めたと呉さんは説明した。
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