中国・アジアの工場進出情報

2018.6.15 Vol.30 No.11
産業アナライズ<自動車>
総点検・中国車の実力(後編)
開発姿勢はより柔軟に

 中国政府が2015年に告示した「中国製造2025」では、重点分野として「省エネ自動車」が掲げられた。製造分野での強国をめざす中で、自動車については日欧米に比して決定的に遅れている内燃機関ではなく電動車両を推進するためにNEV(ニュー・エナジー・ビークル=新エネルギー車)規制を導入した。この中国の決断がいま、各国の自動車産業から注目されているが、自前の技術力はまだ完全な自立とは言えないレベルだ。玉石混交であり企業間の格差も大きい。とくに制御ソフトウェアには、基礎として「走りの質への知見」が必要であり、ここはまだ道半ばである。しかし「玉」と「石」の共存が日本にとっては脅威だと見るべきだ。日本の自動車メーカーや部品メーカーは、まだ中国を過少評価しているが、応用力は次第に柔軟になってきた。
掲載の記事・写真・図表などの無断転載を禁止します。著作権は鰹d化学工業通信社に帰属します。
(C)The Heavy & Chemical Industries News Agency, all rights reserved