中国・アジアの工場進出情報

2018.6.15 Vol.30 No.11
産業アナライズ<化学>
「史上最強」で「本気」の中国環境規制
環境査察制度法制化で化学品市場へ大影響

 習近平政権下における環境規制強化が「史上最強」レベルに達している。これまで「法律あれど罰則なし」といわれ形骸化していた環境保護政策を大転換し、党中央委員会と国務院の主導による「中央環境査察」を強力に推進しているためだ。中央政府が環境保護監察制度に基づいて直接派遣した査察官が自ら工場に立ち入り査察を実施。8,000近い工場で生産の即時停止、対象企業の3分の2で法令違反を指摘、2万人に近い地方環境保護局役人の監督責任を問うなど、猛烈な勢いで取り締まりが進んでいる。こうしたなか、環境対策に強いと見られていた日系大手企業が制裁金や操業停止命令を受けるケースも発生しており、国家的課題として環境対策を推し進める中国政府の本気度が明らかになってきた。主要化学製品市場への影響をまとめてみた。
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