中国・アジアの工場進出情報

2017.12.1 Vol.29 No.21
産業アナライズ<化学>
次世代冷媒めぐる主導権争いがアジアに波及
日米勢優勢も中国が壁/先行市場開拓が奏功するか

 地球温暖化係数(GWP〜*注記1)の低い「次世代冷媒」市場が近い将来アジアでも立ち上がる。欧州主導で始まったHFC(*注記2)規制を受け、米国や日本の冷媒メーカーは、いち早くHFO(*注記3)系の新冷媒を開発した。しかし、実用化には新冷媒の量産化〜供給体制の整備のみならず、新冷媒をそのまま入れ替えること(ドロップイン)のできるエアコンや冷凍機の開発も必要だ。冷媒メーカーにとっては特許の壁と主導権争い、またエアコンや冷凍機メーカーにとっては新冷媒との適合性が求められるなどハードルが高いため、中国などは規制逃れに走り、米国ではトランプ政権が反対に回る。それでも法規制開始時期は確実に迫っており、先発組は新冷媒への転換事例をタイなどアジア地域でも作りつつある。現況を追ってみた。
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