中国・アジアの工場進出情報

2017.9.1 Vol.29 No.15
ビジネスレポート
日系シンガポール法人向けに部品を初輸出した
ミャンマーの町工場

 ヤンゴン国際空港から北に1時間ほど行った幹線道路に面してAUNG SANN THIT MIN MACHINERY CO.,LTD(ASTM)というミャンマーのローカルの機械メーカーがある。ASTMの初代社長はミャンマー人で古都ピー出身のゾウさん(MR ZAW OO、44 歳)。ミャンマーは大農業国だが、ASTMではミャンマー産のコメやマメ類の自動選別機、サトウキビを絞ってジュースを作る業務用機械、業務用のカキ氷機、練炭や8穴付きのレンガの自動製造機などを年に60機ほど生産している。今年、シンガポールの日本人経営者(三菱重工OB)によるニッショー(NISSHO ENGINEERING)向けに機械部品の製造販売が決まってシンガポール向け輸出が始まったことをゾウさんは喜んでいる。ニッショーの仕事を仲介したのはシンガポールの同社に就職してそこの幹部になっているゾウさんの親せきにあたるミャンマー人。ニッショーではシンガポールの三菱重工の下請けとして香港に近いマカオで敷設中の鉄道向けに受注している各種部品の一部を生産コストが安いミャンマーで製造することにした。ミャンマーから直接マカオに輸出せずにシンガポールのニッショーに輸出、そこで組み立ててマカオに輸出する。ASTMがすでに生産したのは鉄道車両をメンテナンスする時にクレーンで車体ボギー車をつり上げた時にサポートするボディスタンドなど。マカオでは来年、香港までの長大な橋でつながるが、三菱重工と伊藤忠商事の共同事業体としてマカオ初の鉄道(マカオLRT)の第1期工事が2018年の開業を目指して進められている。
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