中国・アジアの工場進出情報

2017.4.15 Vol.29 No.7
目黒教授の東南アジア市場参入・必勝セオリー
〜技術とビジネスモデルをどう生かすか〜
第36回:バリューチェーンの構築(6)
東南アジアの流通に影響を及ぼす もう一つの要因 
〜 2大プレイヤー(流通主体)の動態的把握 〜

 前号では、地域流通に大きな影響を及ぼす競争環境として、地域の“流通構造”(ミクロな流通構造とマクロな流通構造)を取上げた。ところで、こうした“流通構造”は、必ずしも地域市場独自のものとは限らない。確かに、東南アジア市場を始めとするそれぞれの地域市場には地域固有の“流通構造”が存在する。しかし、グローバルな視点で見れば、それぞれの地域市場における(ミクロ・マクロの)“流通構造”は、地理的な違いこそあれ、地域間で非常に似通っている。これは、前号で述べたもう一つの環境要因“商習慣・制度”についても同じである。リベート、派遣店員、棚代、返品等々といった我々にも馴染みの深い商習慣は、金額や遵守度合や強制力に関しては各地域間で差があるものの、それぞれの習慣・制度の概念自体としてはほぼ共通のものである。
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