中国・アジアの工場進出情報

2016.11.15 Vol.28 No.20
ビジネスレポート
タイで見えた製造業の異変

 タイを代表する自動車産業の低迷が国内販売の不振などから長引いている。原油の値下がりからタイでは経常収支黒字が続き、通貨バーツが下落しないので輸出が伸びないとタイの輸出産業は悲鳴をあげている。経営不振の工場が急増し、かつてはなかった「記事を書くのなら社名は出さないで欲しい」という取材先からの依頼も増えている。タイで操業する日本の大手でも一般的な製品や部品を製造している部門では競争激化から低迷して日本人を減らすリストラ、残業カット、日本にラインを移設した大手もある。タイから労働コストが安いベトナムに生産移管を進めるのは韓国の大手だけでなく日系でも大手建設資材、電子部品メーカーで同じ動きをしているところがある。タイで販売だけを行ってきた日系のある中小企業ではタイで工場建設しようと計画してきたが、技能集積が期待できるベトナムがベターだとしてベトナムに投資先を変更したケースもある。最近のタイの製造業の実情の一端を紹介してみたい。
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