中国・アジアの工場進出情報

2016.7.1 Vol.28 No.12
ビジネスレポート
タイで倒産、ゼロから再出発したドイルアン・マーケティング社
DOILUAN MARKETING & CONSULTANT Co., Ltd.(DMC社)

 バンコク郊外のドイルアン・マーケティング社(DMC社)社長である巽谷真治(たつみや・しんじ)さん(66歳)は日大経済学部を卒業、経営コンサルタント会社であるビジネスコンサルタント(当時は三和銀行系)に在籍後、父親が東京・北区で経営していた漆器問屋に入社した。1986年にタイのバンコクに来てカリンやチークなど高級材を使った日本向け茶たく等の買い付けを始めたが、その後、タイ北部のチェンマイで私費による木工品工場を立ち上げた。だが、それから6年ほどすると、タイではチークなどの高級木材の伐採が禁止され、材料の手当ができなくなり経営危機に陥って倒産した。日本の会社を辞め、離婚、チェンマイをうろついていた巽谷さんの前に現在の奥さんであるサーヴィティー(Savittee)さんが現れた。倒産すると、それまで付き合っていた日本人の友人が離れていっただけでなく、巽谷さんと結婚するサーヴィティーさんに「巽谷だけは付き合わない方がよい」と忠告した人もいた。夜逃げ同然でタイ北部のサーヴィティーさんの実家に転がり込んだ巽谷さんは、そこの田畑や山、村の仕事などを手伝いながら1年ほど暮らした。その後バンコクに出た巽谷さんは日系家具工場に1万バーツの初任給で就職したが、営業成績を上げたことに周囲からやっかみが出て、試用期間だけで退社、タイのローカル鉄工所のチュンポン・ロハキッド・インターナショナル社に入社した。しかし1997年のタイに発したアジア金融危機により同社も打撃を受け、退職した巽谷さんはタイで再び起業することを1999年に決めた。
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