中国・アジアの工場進出情報

2016.6.1 Vol.28 No.10
産業アナライズ<自動車>
オートチャイナ2016報告・後編
奇瑞と吉利、その現在

 さきごろ開催された第14回オートチャイナ(北京モーターショー=以下AC16)は、前編で紹介した「SUVの祭典」という側面と同時に、実力を着けてきた中国の非国営(独立系)勢による新しい提案が目を引いた。なかでも奇瑞汽車と吉利汽車である。一時期両社はマルチブランド展開へと走り、一気に商品ラインナップを拡大して失敗した。その反省から現在は両社とも商品を絞り込んでいる。同時に、スタイリング(内外装デザイン)の決定を全権を持つデザインディレクターが行う点でも共通している。奇瑞と吉利に長城、比亜迪(BYD)などを加えた非国営の大手は、合弁相手の海外自動車メーカーから知的財産を無償で譲り受け設計・製造面のノウハウまで伝授され、手取り足取りの支援によって「自主産品」を用意し企業規模を拡大させている国営勢とはまったくスタンスが違う。非国営勢は、厳しい競争の中をそれぞれのやり方で生き抜いている。失敗に学びながら自社のアイデンティティー確立に心血を注いでいる。
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