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2015.12.1 Vol.27 No.21
ビジネスレポート
ミャンマーで政権交代 経済悪化の公算も
難しいカジとり迫られるスーチー氏

 11月8日のミャンマー総選挙は野党だったアウン・サン・スー・チー氏(以下スーチー氏)の国民民主連盟(NLD)も与党同様に全力で臨んだ。その結果、ミャンマー国民は半世紀以上続いている軍支配からの脱却に向けた変革への道を選んだ。2011年3月に大統領に就任したテイン・セイン大統領は2016年3月末の任期切れでNLDの新政権にバトンタッチする。外国人の親族がいる人物は大統領に就任できないとする現行の憲法規定でスーチー氏の大統領就任は無いが、スーチー氏は「私は大統領以上の存在になる」「(今後)すべての決定権は私にある」と宣言しているが、国軍の掌握は困難。軍だけでなく、少数民族、労働、法律策定、汚職撲滅、インフラ整備といった解決が迫られる難問の高い山に対してスーチー氏は納得できる新政策を出していない。利権を持ち続けたい軍や各省庁と官僚らの反発は当然起こり、NLDを支持した庶民の期待に応えることは並大抵ではない。スーチー氏支持のあるミャンマー人経営者は「今後5年間で経済は悪化する可能性の方が高いと思う。それでも半世紀以上の軍政支配から軍は政権運営に関われない普通の国に戻してくれさえしたら、それだけでも新政権の意義は大きい」と期待した。
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