中国・アジアの工場進出情報

2015.12.1 Vol.27 No.21
産業アナライズ<自動車>
中国政府が2020年に向けて描く
「新エネ車」普及へのシナリオ

 沿岸部大都市の大気汚染改善が急務の中国で、政府は中国版「カリフォルニア規制」とも呼べるZEV=ゼロ・エミッション・ビークル(無公害車)規制の導入へと動き始めた。実施は2020年を予定している。現在、中国政府が認定する新エネルギー車(NEV)は純電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池電気自動車(FCEV)であり、これらは購入補助金の対象になっている。2020年にこの補助金が廃止される予定で、それ以降のNEV普及をどうするかが現在の課題だが、国務院は年産50万台以上のブランドは生産台数の5%、50万台以下は3%のNEV生産目標を設定し、未達成の場合には罰金を徴収する方向で検討している。また、目標を超過達成したブランドは超過分をクレジットとして他社に販売できるようになるという。この案の背景には、一向にNEV販売が進まないことだけでなく、外資ブランドがNEVに対して消極的であることも「政府の不満」として根強くあると言う。また、日本勢が得意とする精密制御のフル(ストロング)ハイブリッド(FHEV)と、欧州勢が大量導入を始めたマイルドHEV(MHEV)は両方ともNEVにはカウントされず中国政府が大量に2次電池を積む車両の普及をねらっていることが窺える。
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