中国・アジアの工場進出情報

2015.11.15 Vol.27 No.20
ビジネスレポート
中国が日本を上回ったタイ投資

 タイにはこれまでに日系製造業だけで数千社が進出しているなど、この数十年、日本企業がタイで圧倒的1位の外資としての存在感があった。バンコクを中心に1カ所に数千もの日本企業が集積しているという場所は世界的に見てもタイ以外にはないという現状は揺るぎそうにはなかった。だが、ここに来てその座が揺らぎ始めた。タイ政府の投資委員会(BOI)によると今年1〜8月の外資投資(申請額ベース)累計でタイへの外国投資ではこれまで圧倒的1位の座にあった日本が史上初めて中国に抜かれたからだ。日本からタイ投資が頭打ちで小型化している一方、中国からは自動車組立、タイヤなどの大型投資が増えている。中国の携帯電話はタイで発売されて久しいが、スマートフォン大手で中国で人気のある北京小米科技(シャオミ)も今年からタイを東南アジアで同社初の進出先として選んで販売を開始したが、日本製スマホはタイで風前の灯火となっている。中国からの投資は欧米やアフリカなど世界に広がっているがタイなど東南アジア投資を計画する中国投資は全体の中ではまだ限定的で少数と思われる。今後、中国企業が本格的にタイ投資に目を向け始めると、タイでの日本の存在は急激に低下する。
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