中国・アジアの工場進出情報

2015.11.15 Vol.27 No.20
産業アナライズ<自動車>
2016年中国市場の行方
SUV需要争奪戦「次の一手」

 久々に開催された日中韓首脳会議は、中国の日系車販売店に歓迎されている。実際に政治問題がクルマの売れ行きにどれくらい影響するかについては意見が分かれるが、少なくとも「クルマを買わない(買えない)層からの差別は受けなくなる」と日本車販売店は言う。近年の中国は、新車を投入した直後にどれだけの販売台数を稼ぐかという、いわゆる新車効果で注目度を高めることが販売戦術の中心になっており、各社の業績は新型車の注目度に左右される。しかし、新車効果は長続きせず、外観と内装の一部を変更するフェイスリフトでモデル寿命を維持するという日欧米市場並みの慌ただしさに呑まれている。そんな中で日系ブランドの販売が伸びているが、地元中国勢のSUVが一大攻勢をかけている。「来年は600万台か」との予想もあり、SUVは新車市場の3割を超える勢いだ。オフロード専門ではなく街乗り型のタウンSUVというジャンルはトヨタ「RAV4」など日本勢が確立したジャンルだが、ここに中国勢が安価な商品で雪崩れ込んで来た。競争激化は必至である。
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