中国・アジアの工場進出情報

2015.7.15 Vol.27 No.13
産業アナライズ<自動車>
中国自動車技術のレベルを探る・その2
ボディ設計術は進歩したか

 上海同済同捷科技(TJイノーバ)、阿爾特汽車技術(AIT)および長城華冠(CHオート)の3社は、中国資本エンジニアリング会社の草分け的存在である。既存の市販車をリバースエンジニアリングで解析し、ボディの設計図面をそっくり同じように起こし、それをおもに独立系(非国営)自動車メーカーに販売していた。かつてTJイノーバは、300種類にも及ぶ超級平台(スーパープラットフォーム)の設計データを販売していた。おもに日本車を分解してリバースエンジニアリングで得たデータであり、なかでも複数のモデルの設計を「いいところ取り」した30タイプほどの設計データは割安に販売されていた。こうしたデータを購入し、いわゆる「コピー車」を製造することが04年ごろから流行し、日本車の「そっくりさん」が路上にあふれた。しかし、現在はあからさまなコピー車はめっきり数が減った。国営大手自動車メーカーは、提携先の外資から譲り受けた車両プラットフォーム(基本骨格)をつかって商品を出し、大手独立系は外部の支援を得た自前設計に乗り出し、中小独立系はすでに入手しているリバースデータの改良を行うようになった。自動車ボディの設計手法は多様化している。
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