中国・アジアの工場進出情報

2015.2.1 Vol.27 No.2
ビジネスレポート
庶民も起業ラッシュのミャンマー

 ミャンマーでは2011年3月30日に連邦議会でテイン・セイン首相が大統領に就任。タン・シュエSPDC議長がSPDCの解散を命じて7段階の民主化ロードマップが終了、民政化された。その後、テイン・セイン大統領は矢継ぎ早に経済開放、民主化を進めたことから、かつて軍人やその取り巻きしか一攫千金が難しかったビジネスの世界に大勢の庶民が進出、ミャンマー人の起業家が多数誕生している現状をこのほどミャンマー最大都市であるヤンゴン周辺のあちこちで取材した。ヤンゴン市内から車で数時間離れた場所も含め、ふつうのミャンマー人による起業の現状を垣間見た。しかしこの取材中に訪問した農家では、「1エーカー(1エーカーは約4,000平方メートル)170ラーク(1ラークは10万だから約170万円)で7エーカーを中国人に売った。得たおカネで肥料購入でたまっていた借金を支払い、余ったお金で数百万円の小さな家を新築、残りはヤンゴンのあちこちの銀行に貯金、これからはこの利子収入で食べていきます」という農家もあった。中国から新たな投資を求めてやってきた中国人が、投機、転売を狙ってミャンマー人名義を借りて農地までも買いまくっているもので、ミャンマーの不動産バブル拡大の裏にこんな事情もあることがわかった。
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