中国・アジアの工場進出情報

2015.1.1・15 Vol.27 No.1
FOCUS
【フィリピン】インフラ投資がけん引、GDP成長率6%台維持
 15年予算案でインフラ支出30%拡大/
台風被害復興計画が遂行段階

 フィリピンの2014年実質GDP成長率は、物価上昇や政府のインフラ整備の遅延などが影響し6.2%と前年実績(7.2%)を下回る見込みで、フィリピン政府が年初に設定していた成長率目標(6.5〜7.5%)の達成は難しい状況だ。輸出は前年同期比9.8%増と増勢加速している一方、家庭最終消費支出の伸び率は5.2%にとどまり、政府支出は同2.6%減と急激に落ち込んだ結果、第3四半期の成長率は5.3%と2011年第4四半期(4.0%)以来の低成長となった。第4四半期についても個人消費の落ち込みが続くと見込まれている。他方、6%台を維持する点では景気は堅調に推移、2015年についても輸出と個人消費、在外送金が景気を下支え。昨年半ばに承認された2013年の台風被害地域に対する復興計画が遂行されるめども立ち、2015年度予算ではインフラ整備費が前年比34%増加するなど、公共投資が全体を押し上げるけん引役になる見通し。政府成長率目標(7.0〜8.0%)には届かないが、成長率は6.4%に達すると予測されている。
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