中国・アジアの工場進出情報

2014.11.15 Vol.26 No.20
産業アナライズ<自動車>
新興国のSUV市場・その3
欧州勢高級車は市場地図を変えるか

 ロールスロイス、ベントレー、ランボルギーニ……超高額商品をそろえ、ごく少数の超富裕層をしっかりとつかんでいるこれらの欧州ブランドがSUVの投入を計画している。ねらいはまず中国やロシアの市場、そして将来的にはインドである。「道の悪い場所を必ず通る」というユーザーが多いこれらの国に向けて、今後4〜5年以内の投入を計画している。2020年の世界SUV市場は約2200万台と想定されるから、そのうちの2%強に当たる50万台をこうした有名高級ブランドのモデルが占めるとしても、まったく不思議ではない。おそらく2020年には車両価格10万ドル以上のクロスオーバーSUVが10モデル以上になっていることだろう。一方、庶民の日常の足としての安価なSUVは2200万台のうちの半数以上を占める。この市場はどこが制圧するか。それと、日本が得意としている中間価格帯はどうなるか。2200万台という数字は、北米3国やEUの自動車市場を上回る規模であり、ここでの成否が自動車メーカー業績の明暗を分けることになるだろう。
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