中国・アジアの工場進出情報

2014.10.15 Vol.26 No.18
産業アナライズ<自動車>
新興国のSUV市場・その1
日本に「ランクルの次」はあるか

 ランクルの愛称で親しまれているトヨタ「ランドクルーザー」は、過酷な条件下でもっとも信頼できる自動車だと世界中で賞賛されている。北米や日本国内向けには豪華装備のSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)である最新型が投入されているが、中近東やインドから東南アジア、豪州、そしてロシア、中南米に向けては、ちょうど30年前に発売された「70型」、通称「ナナマル」が現在も主力であり、発売から29年目に当たる昨年が70型の歴史の中でも最多の生産台数だった。いま、SUV市場は世界各地で拡大している。豪華で通常のセダン的な乗り心地のSUVを求める北米。中小型でSUVとハッチバック車の混血的な性格のモデル、いわゆるクロスオーバー車が売れる欧州。「背が高い」という外観的特徴が支持される中国。そしてタフさが求められる中近東やアフリカ。地域ごとに売れ筋の形態は変わるが、SUV市場がかつてないほどに注目されていることだけは間違いない。その中にあって日本勢は、かつてほどの勢いがない。拡大するSUV市場の現状と日本車のライバル勢の動きを、SUV内のジャンル別に追ってみる。
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