中国・アジアの工場進出情報

2014.10.1 Vol.26 No.17
産業アナライズ<自動車>
インド市場争奪戦第3ラウンド
マルチスズキに挑む各社

 インドで圧倒的なシェアを持つマルチスズキが新工場建設に着手した。年産10万台規模の車両工場として17年から稼働し、将来的には20万台以上の規模になる模様だ。工場の所有はSMG(スズキ・モーター・グジャラート)というスズキ全額出資の新会社である。現在、マルチスズキの4輪車生産能力は年産150万台であり、目一杯の稼働を行なえば180万台までは生産できるという。しかし、インド国内市場の将来とインドからの輸出拡大を考えると「能力不足」だとスズキは考えている。グジャラート州の新工場が稼働すれば年産200万台が視野に入ってくる。150万台体制が整ったのは12年末であり、SMG設立と新工場の建設計画が発表されたのは約2年後のことし1月だった。この2年でスズキがインドを文字通りの世界戦略の中心に据えたことになる。ことし上半(1〜6月)の乗用車市場では、マルチスズキのシェアは44.4%であり、2位の韓国・現代(ヒュンダイ)の16.2%、3位の地元資本マヒンドラ・アンド・マヒンドラの8.7%、4位ホンダの7.0%、さらに5位以下の日欧米メーカー数社を合算しても優位に立っている。それでもインドの生産能力を増やす理由は、インド国内だけでなくアフリカなど新興国市場への展開にある。同時に、巨人・マルチスズキに挑む各社の動きも見据えたものでもある。
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