中国・アジアの工場進出情報

2014.1.1・15 Vol.26 No.1
産業アナライズ<自動車>
自動車用鋼材の調達現場から・前編
中韓ハイテン攻勢は第2段階へ

 自動車のボディに使用される鋼板、いわゆる「薄板」の分野で韓国と中国の攻勢が激しくなって来た。韓国のポスコ、中国の宝鋼集団、鞍山鋼鉄集団などは、日系鉄鋼メーカーとの提携で身に付けた技術力を武器にアジア市場で売り込みをかけている。従来、日本の自動車メーカーは海外生産する場合にも相当な比率の鋼板を日本から調達していたが、海外生産が拡大するなかでこの構図は崩れた。鋼板の現地調達である。鋳造部品のための鉄だけでなく、車両性能にとって重要な車体骨格部分および人目に触れる外板意匠面にも現地製の鋼材が使用されるようになった。過去、日系鉄鋼メーカーが独占していた自動車向け高張力鋼(ハイテンシルスチール=略してハイテン)の市場も中韓の鉄鋼メーカーが奪いつつある。日本勢は技術革新でこれに対抗しているが、価格勝負の商品では「負け」も見え始めた。供給過剰と言われるアジアの鉄鋼業界だが、それだけに付加価値の高い自動車向けでのシェア争奪戦が激しさを増している。
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