中国・アジアの工場進出情報

2013.12.15 Vol.25 No.22
バンコクレポート
タイ農業に「異変」が発生
経済・政治の不安定が拡大する要因に

 タイの農産品に「異変」が起きている。エビ養殖場で病害が広がり、輸出先となる日本では天丼や天ぷらなどに使うエビが不足する騒ぎとなった。コメでは、インラック政権が復活させた担保融資制度により国際競争力が低下し、タイは約30年間維持したコメ輸出世界1位の座を明け渡してしまった。さらに同制度による財政赤字の拡大が懸念されている。その一方で、天然ゴムは中国向けなど外需が減って価格が下落、生産者が政府の価格介入を求めて幹線道路を封鎖する騒ぎとなった。一部農民はバンコクで続く反政府運動に参加したようだ。その中国は今年10月11日に中国の李克強首相がタイを訪問しインラック首相と会談した際に、コメと天然ゴムの輸入拡大を約束するなど、「ASEAN覇権」を狙う中国外交の取引材料になりつつある。農業分野の不振はタイ経済・政治のかく乱要因となる。
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