中国・アジアの工場進出情報

2013.11.1 Vol.25 No.19
ビジネスレポート
350台の最新鋭機械で日系向け部品生産のタイローカル企業

 タイのローカル製造業では、まだ初代創業経営者のままなのに、今や東南アジア有数の大手自動車部品メーカーに育ったタイ・サミット・グループなどがあり、それを追いかけるタイの若手製造業もどんどん育っている。タイを東南アジアの生産のハブとしてさらに育てたいのがタイの日系組立メーカーのほとんどだが、このところタイの労働力不足、人件費アップから労働集約的部分だけをタイの周辺国にサブ工場を建てて移転させるところが増えている。しかし技術集約的な生産はASEAN内のモノと人の移動がより簡単になる2015年のAEC(ASEAN経済共同体)創設後もタイが基地であり続けるだろう。自動車関連を中心とした日本の中小製造業のタイ進出はさらに増える現状にあるが、350台もの最新鋭機械を導入して「同業の日系部品メーカーより技術力で上回った」(P・クオリティ・マシーン・パーツのパタナサック社長)と自負するタイのローカル企業と日系の中小企業が互角に戦うことは難しい現状になってきている。P・クオリティ・マシーン・パーツ以外にも技術力があり、数百台の世界の最新鋭機を導入してモノ作りをしているタイのローカル企業が増えているが、日系の中小企業のタイ投資でそのような設備投資ができるところはきわめて少ない。そして日系企業の海外進出では100%独資での進出を希望するケースが圧倒的な現状だが、タイのローカルが育ってきた現状では考え方を変えるべきだろう。今後は親日的なタイ企業を探し、最初からそこと組んでタイに進出すれば初期投資も抑えられ、市場も単独でやるより拡大できそうだ。
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