中国・アジアの工場進出情報

2013.6.15 Vol.25 No.11
産業アナライズ<自動車>
第15回オート上海商品分析・その3
「ブランド力」に目覚めた独立系

 中国独立系最大手の奇瑞汽車がイスラエル政府系投資会社と共同で立ち上げた観致汽車(QOROS AUTO)が、ことしの上海車展で初めて実車を披露した。まず、4ドア・セダン「GQ3」を発売し、ワゴンとSUVを順次追加投入するという。長春に建設中の工場は今秋に年産15万台で量産を開始する予定で、年内に中国全土で約200店舗の販売店が稼働する。その一方で奇瑞は、09年に開始した「瑞麒(Riich)」「Rely(威麟)」などのマルチブランド展開を撤回、「奇瑞(Cherry)」と「観致(QOROS)」のふたつに絞り込む。奇しくも奇瑞最大のライバルである吉利汽車も「帝豪(Emgrand)」「全球鷹(Gleagle)」などのサブブランドを縮小するようだ。そろって09年に打ち出したマルチブランドを約4年で見直す背景には中国政府からの指導もあると聞いているが、両社が「ブランドを育てる難しさ」を理解した、と受け止めるべきだろう。いたずらに手を広げず、売れ線モデルに経営資源を重点投入するとなれば、この2社は日系各社にとって怖い存在になる。
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