中国・アジアの工場進出情報

2013.1.1・15 Vol.25 No.1
産業アナライズ<自動車>
日本車は失地回復できるか
中国が指摘するのは「慢心」と「商品力不足」

 日本政府による尖閣諸島国有化に端を発した日中摩擦は、中国での日本企業の活動に大きな影響を与えた。なかでも自動車の販売落ち込みは顕著で、自動車業界は「まだ影響が残るかもしれない」と見ている。日系ブランドの販売店には「客足が戻ってきた」が、以前に比べると「商談が成約につながる率は悪くなった」と話す販売店は少なくない。そんな状況のなか、独立系の奇瑞汽車はイスラエル企業と合弁で立ち上げた観致汽車(QOROS Auto)の試作車を公開した。すでにテストに入っており量産準備も着々と進められている。奇瑞は独立系の中で唯一、政府から「再編中核企業」に指定されているが、昨年11月には広州汽車集団と戦略的同盟関係を結ぶなど、その存在感が増している。観致汽車について奇瑞は「輸出も視野に入れたグローバル・ブランドをねらう」という。販売価格は従来の中国ローカル車よりも高い設定だという。欧米系合弁と中国企業が「日本車が空いた価格帯をねらう」と漏らし始めている事実は、看過することのできない問題である。尖閣問題だけではく、日系メーカーのビジネスに「隙がある」と見られていると思わなければならない。
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