中国・アジアの工場進出情報

2012.12.1 Vol.24 No.21
産業アナライズ<自動車>
中国で日本車は生き残れるか
足踏みの原因は「尖閣」だけではない

 尖閣諸島問題が日本の自動車産業を締め上げている。中国汽車工業協会が発表した10月の中国国内自動車販売(出荷ベース)台数は前年同月比5.3%増の160.6万台。9月は同1.8%減だったが10月は持ち直した。これは中国側のメッセージだと筆者は見ている。「日本車がなくても不自由しない」というメッセージである。新車登録データが公表されない中国では、実際にクルマが売れたのかどうかはわからない。発表数字はあくまで出荷ベースであり、たとえば政府が国営系・独立系それぞれに中国ローカルブランド車の出荷増を数千台単位で要請すれば「日本車不要」という数値を示すことは可能だ。日中間の政治問題が、本当に日本の自動車産業に中長期的なマイナスをもたらすかどうかについては、まだ判断を下すことは難しい。しかし、これを機に欧米勢と中国ローカルブランドが攻勢をかけている。何らかの政治決着が行われるにしても、短期間とは言え、一度失ったシェアを取り戻すのは容易ではない。
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