中国・アジアの工場進出情報

2012.4.1 Vol.24 No.6
ビジネスレポート
タイで感じる日本との逆転現象

 昨年の洪水で被災した日系企業の撤退も出ているタイだが、一方では工場増設も含めてその数十倍といった勢いでタイ進出が続いている。この四半世紀、タイに500回以上出入りして主に製造業を取材してきた筆者だが、近年のタイの周辺産業を取材して強く感じるのが『タイと日本の逆転現象』。タイの大手ローカル企業の工場での合弁ラインの立ち上げ支援で日本から出張してきた日本の大手企業の技術者がそこに日本の自社工場よりも断然多い最先端機械が導入されているのを見て驚嘆していた。タイ人のローカル中小企業でも、タイの日系中小企業を大きく上回る機械を導入しているところが増えており、それら導入機械の多くは新品の高級機が多い。機械の進歩とタイ人のやる気がマッチして生産能力を高めている一方、日系工場では中古機がめだつ。日系企業では古い機械も高精度で使いこなす能力が高いことを証明しているわけだが、タイのローカル工場の品質が大幅に向上している現在、タイの日系企業が日本の企業というだけで高値が通せたのはもはや過去のこと。タイに進出する日系企業は、日本で製造しているモノよりも高品質なモノを、タイのローカルよりも安く作らなければタイでやっていけない時代になっている。
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