中国・アジアの工場進出情報

2012.2.15 Vol.24 No.3
産業アナライズ<自動車>
自動車産業界M&Aとアジア/その5
 日本の自動車産業の問題点

 独の大手自動車部品グループであるロベルト・ボッシュが日本のゼクセル(旧ヂーゼル機器)を子会社化したのは99年だった。このころ、日本の自動車産業界では独・ダイムラークライスラーによる三菱自動車への資本参加、仏・ルノーによる日産への資本参加という、実質的には買収に近い資本注入が行われていた。バブル崩壊の余波は収まっていなかった。その10年後の09年に象徴的な出来事が起きる。タイの自動車部品最大手であるサミット・グループが日本の金型メーカーであり「世界一の技術」と言われるオギハラの筆頭株主になった。さらに中国の比亜迪汽車(BYDオート)がオギハラの館林工場を買収する。金型や金属の熱処理といった、製造の「要」となる技術がどんどん日本から流出しているが、オギハラが買収されるなど、誰が予想しただろうか。10年前では「あり得ない」と言われたことが起きる。この「10年前」が現在では「5年前」になったように思う。いずれ「先月」になるかもしれない。同時に、自動車分野でのM&Aは中国やインドが主役になるだろう。すでにM&Aは「もうひとつの設備投資」というレベルを超えて、商品力充実の必須要件になりつつある。
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